伝統とイノベーションが融合した家具デザイン

エレナ・ザズノビナによるウール製アームチェア「ValenOK」

シベリアの伝統的なフェルトブーツからインスピレーションを得た、エレナ・ザズノビナのウール製アームチェア「ValenOK」は、伝統的な素材と現代的なデザインが見事に融合した家具です。

「ValenOK」は、寒い季節のシベリアで伝統的に使用されていたフェルト製の靴、フェルトブーツからインスピレーションを得たデザインです。フェルトブーツのように、チェアの上層部は柔らかいウール生地で覆われており、その中にはモヘアが含まれています。子供の頃の思い出から生まれたデザイン要素として、アームレストには手を温めるためのミトンのようなポケットが付いています。

この流線型のチェアは、軽量なポリマーフレーム、家具用フィラー、そして天然のウール生地を使用して製作されています。フェルトブーツのプロトタイプと同様に、このチェアは軽量で耐久性があり、快適で暖かい家具として考えられています。軽量なポリマーフレームは重量を減らし、使用時のエルゴノミクスを確保する一方、天然のウールコーティングは快適な温度を保つのに役立ちます。

フレームの製作には安全なプラスチックが使用され、家具用の充填材としてポリウレタン、そして天然のウール生地にはピエール・フレイのモヘアが使用されています。このチェアは、その抱擁するような形状と天然のふわふわしたウールの張り地のおかげで、寒い日には暖かさを提供します。また、アームレストに付いているミトンのようなポケットに手を入れて温めることができます。

このチェアの開発は2021年の9月に始まり、11月までロシアのモスクワで行われました。エネルギーリソースの節約を考える現代人の多くは、自宅の暖房に対してより責任を持つようになり、部屋の温度を下げる傾向があります。そこで、伝統的なウールのフェルト化技術を家具に活用したいと考え、ウールは環境に優しく、暖かさを最大限に保つのに役立つという結論に至りました。

最終的には、ウールとモヘアを使用した張り地を用いるという妥協案が生まれました。このデザインは、伝統的な素材と温かい感情成分、そして現代的な家具を体現するというプロジェクトの主要な目標を達成しました。そして、このデザインは2022年のA' Furniture Design Awardでブロンズ賞を受賞しました。


プロジェクトの詳細とクレジット

プロジェクトデザイナー: Elena Zaznobina
画像クレジット: Elena Zaznobina
プロジェクトチームのメンバー: Elena Zaznobina
プロジェクト名: ValenOK
プロジェクトのクライアント: LZ-interiors


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